相模線は2021年秋、宇都宮線・日光線は2022年春 JR東日本が新型車両「E131系」投入

JR東日本は、相模線および宇都宮線・日光線に新型車両E131系を順次投入します。

房総・鹿島エリアで2021年春から営業運転を行っているJR東日本E131系電車(しろかね/写真AC)
房総・鹿島エリアで2021年春から営業運転を行っているJR東日本E131系電車(しろかね/写真AC)

相模線向けのE131系は、4両編成を12編成、合計48両が新しく製造されます。2021年秋頃(予定)から営業運転に就き、茅ケ崎駅〜橋本駅間および、朝夕一部の直通列車のみ横浜線(橋本駅〜八王子駅間)で運行されます。車両前面と側面のカラーリングには、湘南の海をイメージした濃淡2色の青色が採用され、前面には遠くまで広がる湘南の海と、ダイナミックな波の水しぶきが水玉模様で表現されています。

宇都宮線・日光線向けに新しく造られるE131系は、3両編成を15編成、合計45両です。2022年春頃(予定)から、宇都宮線(小山駅〜黒磯駅間)および日光線(宇都宮駅〜日光駅間)で営業運転を開始します。車両側面の帯には、宇都宮市で復元された火焔太鼓(かえんだいこ)の山車(だし)をイメージした黄色と茶色の2色が配置され、日光らしいレトロ調のイメージを引き継ぎながら、にぎやかで高級感のあるデザインとなっています(運転区間の路線図は下図を参照)。

【路線図で解説】JR東日本 相模線・宇都宮線・日光線に新型車両E131系を投入

2021年春に房総・鹿島エリアで運転を開始したE131系は、車内の快適性向上、乗客への情報提供の充実、バリアフリー化の推進が図られた新型車両です。相模線および宇都宮線・日光線向けのE131系とは、車内外のデザインや1編成の車両数が異なりますが(房総・鹿島車両は2両編成)、基本設計や性能はおおむね共通となります。現在主力の205系車両は順次、E131系に置き換えられます。

相模線を運行しているJR東日本205系500番台電車(KUZUHA/写真AC)
相模線を運行しているJR東日本205系500番台電車(KUZUHA/写真AC)

E131系の車体の幅は205系よりも150mm広い拡幅車体となるほか、座席1人あたりの幅も205系の約435mmから460mmへと広がり、ゆったりと乗車することができます。房総・鹿島エリアのE131系には一部の座席にクロスシートが採用されていますが、今回追加投入される路線向けの車両はすべてロングシートとなります。

一部のドア上部には、運行情報や乗り換え案内を表示する17インチの大型ディスプレイが設置されます。車内には防犯カメラが設置されるほか、従来の車両では1両につき1か所だった非常通報装置が4か所に増やされ、セキュリティの向上が図られます。バリアフリー面では、車椅子やベビーカーを利用する方のためのフリースペースがすべての車両に設けられます。ホームとの段差も従来より少なくなります。また、宇都宮線・日光線車両では編成内に1か所、車いす対応の大型洋式トイレが設置されます。

車両外側の側面にはカメラが設置され、乗務員が運転台から乗降のようすを確認できる機能など、将来のワンマン運転に対応した機器が搭載されます。利用者が見えない部分では、車両に搭載されている機器や、線路設備の状態を常時監視するモニタリング技術が活用され、故障の予兆を運用中に把握することで安全性・安定性の向上が図られています。