上田電鉄別所線でQRコード乗車の実験 地元企業が開発したアプリで公共交通を便利に

上田電鉄別所線では、QRコード決済アプリによるキャッシュレス乗車の実証実験が行われています。
(2021年5月21日一部訂正)上田電鉄公式サイト上で利用できる決済方法について訂正がありましたので反映しました。

上田電鉄別所線 別所温泉駅(Katsumi/TOKYO STUDIO)
上田電鉄別所線 別所温泉駅(Katsumi/TOKYO STUDIO)

上田市や地元企業などが主体となって実施している、QR決済システムを活用した公共交通キャッシュレス化の実証実験として行われるものです。2020年10月から上田バスが運行する菅平高原線において実証実験が継続して行われており、2021年5月20日(木)からは上田電鉄別所線でもサービスが提供されます。

利用するには、システム開発会社の和晃(長野県坂城町)が運営する無料の専用アプリ「TicketQR」(Android版iOS版)をスマートフォンにインストールする必要があります。あらかじめ設定できる決済方法は、主要ブランドのクレジットカードのほか、各種QR決済サービス(PayPay、LINE Pay、メルペイ、au PAY、WeChat Pay)、やその他決済サービス(Google Pay、Apple Pay)と充実しています。

電車に乗り降りする際は、ワンマン電車内の乗車・降車ドア付近に設置されている読み取り端末にアプリのQR画面をかざして利用します。整理券を取る必要はありません。端末は有人駅の上田駅・下之郷駅・別所温泉駅のほか、平日上り電車ですべてのドアから乗車できる城下駅・三好町駅・赤坂上駅・上田原駅にもホーム上に設置されています。

小児運賃での支払いや、大人と小児の運賃をあわせての支払いにも対応しています。決済方法にクレジットカードを選択した場合、降車と同時に乗車運賃が即時決済されます。QR決済サービスなどで支払う場合は、降車後に各アプリを操作しご自身で決済を完了する必要があります。

利用ごとの都度決済以外に、アプリ独自の便利でおトクな「プリペイド式回数券」が提供されます。あらかじめ2,000円の回数券を購入すると2,200円分がチャージされ、回数券用のQRコードをかざすことによりプリペイド残高から運賃が引き落とされる仕組みです。残高が無くなる前に新たな回数券を購入することができます。降車時にプリペイド残高が不足していた場合は、不足金額分のみQR決済サービスなどで支払いを行うこともできます。

ひと足早くQRコード決済に対応した上田バスの路線バス(丸岡ジョー/写真AC)
ひと足早くQRコード決済に対応した上田バスの路線バス(丸岡ジョー/写真AC)

そのほかの便利な機能として、電車(別所線)やバス(菅平高原線)の位置をリアルタイムで知ることができるGPSロケーションシステムや、時刻表・運賃表の確認も「TicketQR」アプリから利用できます。

今後の機能拡張により、スマホがなくても紙に印刷したQRコードで乗り降りできるようになるほか、日帰り入浴施設等でもQRコード決済に対応する予定です。別所線での実証実験は12月31日(金)までの実施が予定されています(時期は変更する場合あり)。