災害を乗り越え上田電鉄別所線が3月28日全線復旧 新ダイヤは新幹線との接続に課題

上田電鉄別所線は全線復旧する2021年3月28日(日)にダイヤ改正を実施し、土休日ダイヤの導入や運転間隔の見直しを行います。

千曲川橋梁を渡る上田電鉄別所線1000系電車(写真AC/Kiyo-system)
千曲川橋梁を渡る上田電鉄別所線1000系電車(写真AC/Kiyo-system)

2019年10月の台風19号(東日本台風)により千曲川がはん濫し、千曲川橋梁崩落の被害を受けた別所線は、現在も上田駅〜城下駅間でバス代行輸送を実施しています。災害復旧工事が進捗し、2021年3月28日(日)に鉄道線が1年5か月ぶりに復旧することに合わせ、全線で新ダイヤによる運転が開始します。

3月28日(日)改正ダイヤでは、新たに土休日ダイヤが導入されます。早朝を含む朝時間帯の上下各3本と、夕方時間帯の上下各3本の列車について、土・日・祝日および12月30日〜1月3日が運休となります。上田電鉄は、新型コロナウイルス感染症の影響による利用状況を踏まえたダイヤ設定と説明しています。

始発列車および最終列車の時刻も変更されます。列車と代行バスを乗り継ぐ現在の臨時ダイヤと比べ、始発列車は繰り上げ、最終列車は繰り下げとなっています(土休日の一部区間を除く)。ただし、2019年台風災害前のダイヤと比較すると、最終列車は30〜36分早い設定となっています。

下之郷駅5:45発の上り始発列車・上田駅行は、北陸新幹線の上り始発列車「あさま600号」(上田駅6:14発・東京駅7:40着)に接続します。また、別所温泉駅6:54発の上田駅行は土休日を除き、しなの鉄道線の有料快速列車「しなのサンライズ号」(上田駅7:31発)に接続し、長野駅に8:00に到着することができます。

上田駅発の下り最終列車となる23:17発・下之郷駅行は、東京駅を21:28に発車する北陸新幹線「あさま631号」(上田駅23:00着)から乗り継ぐことができます(時刻表は下表を参照)。

【時刻表で解説】上田電鉄別所線 3月28日ダイヤ改正 始発・最終列車時刻表

平日17〜20時台の夕方時間帯については、現行ダイヤの約40分間隔から、3月28日(日)ダイヤ改正以降は約30分間隔に短縮されます。上田駅でのしなの鉄道線との接続が改善され、帰宅の利用が便利になります。

一方で、日中時間帯11〜15時台の列車は、現行の40〜45分間隔から60分間隔に広がります。パターンダイヤ化により毎時の発車時刻が揃いわかりやすくなりますが、北陸新幹線やしなの鉄道線との接続は考慮されていないようです。北陸新幹線の日中時間帯は別所線と同じく約60分の等間隔ダイヤですが、別所線上り列車の上田駅到着時刻(毎時40分着)と、新幹線上り方面の発車時刻(毎時36分または40分発)が噛み合わず、最大1時間待ちとなる点は留意したほうがよさそうです。